ビブリオフィリアの愉快な冒険

私とこの本との物語、本の感想、etc.

爆「に」 人間の歴史

f:id:Irenelee:20200316213559j:plain

人間の歴史 イリーン、セガール著 岩波書店

 

これはね、私の初めての挫折本です。

ずーっと、父が買ってくれた本を読んできて、

この本を与えられ、

読み始めたのはいいけれど、

本当に、内容が頭に入ってこなくて・・・

 

私は、自分が理科系だと思っていたし、

このくらいの、解説は大丈夫と思っていた。

もっと、難しい宇宙の本だって読んでいたのに、

この、進まなさはいったいなんなんだ。

 

何か、合わなかった。


(もしかしたら、こんなのは、嘘と思っていたのかもしれない。)

父は「もう、読み終わったのか?」とか聞くし。

 

という事で、

もう、ばーっと、ななめ読み。

思えば、初めての挫折本は、初めての斜め読み本。

斜めに読むのを教えてくれた本になってしまったぁ~。

 

まあ、それもあり。

そのスキルも必要だったりもするものね。

 

「か」 風にのってきたメアリー・ポピンズ

f:id:Irenelee:20200306211412j:plain

風にのってきたメアリー・ポピンズ P.L.トラヴァース著 岩波書店


さて、小学校5,6年って、特別な時期なんでしょうかね。

風にのってきたメアリー・ポピンズは、

父が与えてくれた本の中でも、最も好きな本のひとつでした。

 

本を贈られた時の喜び。

たしか、クリスマスでした。

しかも、こんなに分厚い本。

もう、本当に嬉しかったのを覚えています。

 

それでもって、私のイギリスへの愛は、この、

メアリー・ポピンズによって作られたと言っても過言ではありません。

ホームズに出会ったのは、もっと後の事ですし・・・

あ、ナルニア国物語もありました。

これについては、「な」の項で語ります。

 

私には、叔母さんがいて大阪に住んでいたのですが、

この叔母さんが時々、東京に来てくれて、

メアリー・ポピンズのように、

私と妹と双子の弟達を面倒見てくれたのでした。

 

そうしたら、トラヴァースも叔母さんが、居たそうですね。

トラヴァースの幼いころはオーストラリアに住んでいて、

このちょっと怖い親戚の叔母さんがやってきて、

面倒を見てくれたと。

 

私と妹と双子の弟二人。なんか、構成もちょっと似ている。

長女でしっかり者のジェイン。

わがままで、いたずら好きのマイケル。

双子の赤ちゃんのジョンとバーバラ。

 

そして、メアリー・ポピンズの魔法は、

本当に本当に、素敵でした。

好きな話は、クリスマスの買い物のお話。

プレアデス星団の星の子、マイアが空から降りてきて、

メアリーとバンクスの子供たちと、

多分、ハロッズと思われるデパートで、お買い物を楽しむお話です。

 

それから、末永く幸せに。

みそかの夜に、色んな本を開いておくと、

そこから、主人公たちが出てきて、

みんなで、新年をお祝いします。

 

ああ、こんな風に、

本の中の人たちと話が出来たら、

どんなに良いでしょう・・・。

 

 

それから、星座や惑星たちの天空でのサーカスのお話。

大好き。太陽のキス!カッコイイ!

 

ブーム提督との、海の底の話。

ティディアム・ポンポン!

 

クランペットや、ジンジャーパン、

ミントの会話キャンディーや、

天井でのお茶。

 

 そんなもので、

私の幼少期はできています。 

「か」行

f:id:Irenelee:20200104115026j:plain

 

か行に入りますです。twitterに出したのは、この画像。

#あなたの本棚のかきくけこです。

か行は、なかなか、深部に迫ってますね。

何がって、なんでしょう(笑)

 

これ以外のイレギュラーも紹介していきますね。

f:id:Irenelee:20200104114324j:plain

ちなみに、こちらは、Facebookに出した画像。

なぜ、違うのか・・・

ふふふ。単なるトポロジーの差。

「お」 オセロー

f:id:Irenelee:20200305204112j:plain

オセロー ウィリアム・シェイクスピア


シェイクスピア4大悲劇のひとつ、オセロー。

 

さて、シェイクスピア、来てしまいましたね。

私には、変な癖があって、

落ち込むと、シェイクスピアを読むっていうんですが。

 

ちなみに、今、好きなのは、

テンペスト」「ヘンリー五世」「ヴェニスの商人」です。

 

で、オセローですよね。

 

元ネタのお話があるそうですが、

(それは置いておいて)

シェイクスピアは、女にも男にも、イタリア人にもトルコ人にも、

インド人にも、

もちろん、英国人にも、

圧倒的に、情け容赦のない、乾いた描写をしてくださいます。

 

特に、この作品は、

女性に関しての、容赦なさがなぁ~。

デズデモナなんてね~、最初から最後まで、

結婚前にオセローに体を許した、緩い操の女ってのが、

つきまとってましてね。

ちゃんと、待って、父の許しを得て、

オセローと結婚したんだったら、イアーゴのつけいる隙はなかったのにねって。

(最後に、父ちゃん、悲しみのあまり、死んでるし。)

 

そういうのが見える。

しょせん、イタリア人、ヴェニス女とかね。

そんでもって、ムーア人のオセローは、

何というか、単なる、火の塊みたいな扱い。

 

だいたい、女の人を口説くのに、

友人や知人の助けを借りなきゃだめなのか?

だめなんだろな、当時の世界では。

でも、デズデモナをものにする、夜を

みんなが知っているって、どーゆーことよ。

口が軽すぎる。

そういう小細工をしなければ、落とせないなら、

やめときなさい、そんな恋は。

 

まあ、それでは、物語りが始まらないし、終わらない。

 

どの国においても、恋とは、我慢というのと相反するもの。

反対されれば、燃え上がるもの。

 

そして、嫉妬も、

顔をそむければそむけるほど、心に刺さるもの。

 

もう、みんな、

瞑想せい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わ」 once upon a time

f:id:Irenelee:20200301180014j:plain

Once upon a time

イギリス黄金期の絵本のイラストレイターを代表する、

アーサー・ラッカムの挿絵の

おとぎ話集です。

 

裏表紙の不思議の国のアリスのお茶会の様子。

リアルで、素敵な構図、

渋い水彩画の絵、ペンタッチ、すべて、素敵。

 

f:id:Irenelee:20200301180028j:plain

ロミオとジュリエット

この美しいロミオとジュリエット

 

この方は、ワーグナーの「ニーベルングの指輪」にも、挿絵を描いていて、

これも、素晴らしいのよね。

 

私の好きなイラスト御三家は、

ラッカム、ビリビン、モンヴェルなのでした。

 

 

輝「あ」 あしながおじさん

f:id:Irenelee:20200301175510j:plain

あしながおじさん ウェブスター作 曽野綾子訳 少年少女講談社文庫

 

今回、読み直しました。

 

20代ごろまで、本当に、大好きな物語でした。

この、装丁も愛らしく、

心の、おとっときの所にあるような本でした。

叔母に中野の本屋さんで、買ってもらった大切な本です。

 

新井苑子さんのイラストも、どれだけ、憧れた事やら。

原書では、イラストはもっぱら、

ウェブスターの描いた、かな釘みたいな人間で、

本当に、日本版で良かった。

アメリカの大学って、こんなのか~って、夢がありました。

 

f:id:Irenelee:20200301175959j:plain

 

当時、小学4年だった私は、バス通学をしていて、

バスの中で、大学生のお姉さんに、

「大学では生理学って習うのでしょう?」などと、

知ったかぶりをしていましたが、

大学生のお姉さんは、怪訝な顔をするばかりでした。

日本語の訳は難しいね。

 

ああ、父の書斎にペーパーバックの”Daddy-long-legs"があって、

失敬して、今も、持っているのですけど、

もう、やっぱり、

古典なんでしょうね。

 

思い出として、

続編の、「続あしながおじさん」”Dear enemy"も、好きでしたけど、

予備校時代に、

この作品を大好きな男の子がいて、

「僕は、この医者に似ている・・・(と思っている)」

そんなことを話した事を思い出しました。

(ちょっと、全然、違うと思うけど・・・と、私が思っていたのはヒミツ)

 

今読むと、ありえない・・・こんな物語・・・なんだけど、

いいの。これはこれで。

 

 

 

「をん」 猫と庄造と二人のをんな

f:id:Irenelee:20200218220919j:plain

あなたの本棚の「わをん」

あ行の次は、か行だとつまらないので、

わ行・・・つまり、後ろから行ってみようかな。

どうせ、このブログは自由自在なんだから。

 

後ろから。

「猫と庄造と二人のをんな」 谷崎潤一郎 中公文庫

「を」と「ん」が入ってるから、

この作品にしたんですけど。

 

コメディと後ろ書きに書いてありますが、

そーーーんなに笑える訳じゃない。

でも、猫好きなら、

ああ、猫ってそうかもね、そうだよね、そうに違いない・・・と

ちょっとの共感があると思う。

 

をんな二人は、どっちもどっちだし、庄造はまあ、そういう優男、居ますよねって感じ。

旧仮名づかいが、楽しい一冊です。

リ、-だもの。(横書きだとさらによくわからんけど、リリー。)