ビブリオフィリアの愉快な冒険

私とこの本との物語、本の感想、etc.

「え」 絵本の世界・110人のイラストレーター

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絵本の世界・110人のイラストレーター 堀内誠一編 福音館書店

もう、綺羅星のごとく、美しいイラストが満載。

表紙絵を見るだけで、うっとり。

これを見て、好きになったイラストレイター多し。

 

アーサー・ラッカム、エドマンド・デュラック、カイ・ニールセンくらいは、

知ってましたけど、

大好きになった、ブーデト・デ・モンヴェルや、イワン・ビリビン、エロール・ル・カインなんかは、超絶、オススメなんですけど。

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イリアム・ブレイク

ブレイクの詩も最高だし、

 

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ハワード・パイル

ハワード・パイルの力強い描線や、

 

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エドマンド・デュラック

デュラックの色の美しさ。

 

こういうのが、好きな人には、たまらないと思う。

私の夢の一つに、

美しい本を作る・・・一冊でもいいから・・・

ってのがあります。

 

いつ、作れるんだ・・・

今でしょ、今(ホントか)。

 

 

 

 

 

「う」 美しの神の伝え

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美しの神の伝え 萩尾望都著 河出文庫


さてはて、萩尾望都先生の、SF小説でございます。

 

文章も書いてらっしゃるのは、知っていましたけど、

いやぁ、小説もめちゃ上手い。

でも、絵も描けるのなら、

この美しい小説を漫画で見てみたい、という邪魔な欲求が

出てしまうのは、避けられませんね。

だって、萩尾先生なんだもの。

 

この人の、エッセイも、イラストも、小説も漫画も、

本当に大好き。

 

小学校4年か5年の頃、友人に「ポーの一族」を借りて以来のファンです。

っていうか、その何年か前に、親に黙ってこっそり買った、少女コミック

ばりばり、乙女だったので、「カプリの真珠」という少女漫画的王道な作品を

目当てに買ったのですが、その時に、載っていたのが、萩尾先生の

短編作品で「すてきな魔法」だったのでした。

それか、「爆発会社」が、一番最初の萩尾作品だったと思います。

 

うちは、マンガ御法度の家でしたので、

自分で買った、雑誌も、見られないように、

読んだら、外に隠してました。

 

友人に借りた「ポーの一族」は、学校で見せてもらうだけでしたけど、

本当に、夢のような世界で・・・

もう、メリーベルばっかり、真似して何枚、えんぴつで描いたことやら。

本当に好きだったな~。

ものすごく影響をうけたんですが、

それはのちになって、分かることでした。

その当時は、夢中で読んでいた、そんな記憶です。

トーマの心臓」も、その子に貸してもらいました。

 

「11人いる!」は雑誌掲載時、本屋で立ち読み、のちに単行本になって

買いました。

でも、すっごい好きだった。

その後、少年漫画を読むようになって、

百億の夜と千億の昼も、読み、

銀の三角(名作や~)AーA'ころまで、

ずっと、リアルタイムで読んでました。

 

バレエ・シリーズも好きだし、

色々と読みますが、

やっぱり、

ポーの一族」が一番と、なるのは、

記憶と結びついているからでしょうね。

 

(なんだか、美しの神の伝え、の事に

あんまり触れてなかったな・・・)

 

 

 

 

 

愛「あ」 赤毛のアン

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赤毛のアン エリザベス・モンゴメリー著 村岡花子訳 旺文社ジュニア図書館

 

昔から、少女小説というジャンルがあって、

モンゴメリの「赤毛のアン」と、オルコットの「若草物語」と、

ウェブスターの「あしながおじさん」というのが、

3大作品と、呼ばれていました。

(「アンネの日記」ってのも、入るかもしれない。)

昔の少女たちは、この三つに影響を受け、

自分に素晴らしい空想力が備わったように、

小説や日記を書いてみたり、手紙魔になったり、

色々と、影響を受けたものでした・・・。

 

今の少女たちは、いったい、何を読むのかしら・・・。

もちろん、赤毛のアンはお読みになりますよね?

実は、この作品は、少女じゃなくても、

少年でも、大人でも、楽しめる、

オールラウンドな小説です。

 

 

小学校4年か5年の時、

父が買ってくれた、

旺文社ジュニア図書館の「赤毛のアン

これは、私、本当に何度も何度も読み返しました。

今でも、折があるごとに、読み返します。

カラーのイラストも入っていて、読みやすく、

字も大きいので、小学生だった私には、丁度良かったです。

でもね、大人になって、文庫版の赤毛のアンを読んだとき、

気が付いたのですが、抜けている場面があります。

完全版ではないのでした。

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カラー挿絵の美しさ

 

さて、赤毛のアンを語る時、

どうしても、避けて通れないのが、

腹心の友のお話。

 

物心ついた少女たちは、自分と深い結びつきを感じてくれる、

腹心の友が、欲しくなります。

 

それがね・・・

良い事なのか、そうでないのか・・・。

他人との人間関係の難しさの第一歩目ですね。

 

アンとダイアナの友情は、優しく美しく・・・

夢のようですが。

本当の所、アンの一人すべりの様なところもあり、

これはこれで、リアリティもあるのでした。

 

私が小学校4,5年の頃、

やっぱり、アンが好きな友達がいました。

その子は、両親が離婚して、片親で、ちょっと陰のある大人っぽい子でした。

のちに、「ポーの一族」を教えてくれるのも、その子です。

彼女は、大人の読む文庫本を沢山読んでしました。

精神年齢は、私より、ずっと上だったと思います。

 

学校で、「私の友達」という題で、作文を書きなさいと、宿題が出ました。

そのころ、グループは良くないと、担任の先生はおっしゃってて、

皆と仲良くならないといけない、なんて、

すごい、建前の教育をなさってました。

 

とりあえず、そうだというなら、

そう書かなくては。

「Aさんとは、ピアノの事でお話をする友達です。

Bさんとは、本の感想を言い合うお友達です。Cさんとは・・・」という具合に、

女子全員、なんとか共通項を見つけて、書きました。

 

ところが、アンの事が好きな大人っぽい友人は、

私のことだけ、書いてきたのです。

同じ小説が好きな事、いつもカンガルーのように、

ぴょんぴょん飛んでいて、楽しい人な事。理化が好きな事。

 

原稿用紙を、お互いに回して、読んだ折の、

私の気まずい事。

「あ、それまだ、完成してなくて、

でも、一番好きなのは、あなたですって、これから書くのよ。」

 

とか、言っちゃって。

彼女のがっかりした顔。

いや、私って、本当に、子供だったわ。(小5だったから、仕方ないけど。)

その子とは、中一まで一緒でした。私は転校したので、

それっきりになっています。

彼女は、その後、ジュニア小説家になりました。

(今は、筆を折ってますけど・・・)

 

時は流れて、

最近のお話です。

趣味のサークルで出会って、仲良くなった人に、

アンのビーズでできたチャーム をプレゼントしたのね。

別に、なんという理由もなかったんだけど、

お店でみかけて、

ビーズのアンとダイアナって、とっても、かわいかったから、

誰かと一緒に持ちたかったのでした。

私はダイアナで、彼女にはアンを上げたのだけど、

赤毛のアンって、好き?」

「ん~・・・そんなに好きじゃない」

 

が~~~~~~~ん

 

世の中には、そ、そんな人もいるんだあ。

その人は、クールで売ってる人だったけど、

そ、そうなんだ・・・

人は、色々だな。

本当に色々だな。

 

で、結末はないんですけど、

その人その人で、友達の在り方は、

本当に違うので、

もう、私は腹心の友は、ちょっと、あきらめているのでした。

でも、ほんのちょっと、まだ、

居ないかな~とか。

求めよ!さらば、与えられんと、

エス様もおっしゃったし。

 

でも、そのためには、自分の心を静めて、

本当に人の事を見なければ。

人の身になるという想像力も働かせられなければ。

だから、体癖を学んでいるのよ~。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真「い」 イルカの夏

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イルカの夏 カテリーネ・アルフライ作 矢川澄子訳 岩波書店

 

イルカの夏は、私の幼いころの愛読書でした。

今回、取り上げるにあたって、再読いたしました。

やっぱり、この物語、大好きです。

 

所は、ギリシアの島。

貧乏で、母と二人暮らしをしている、アンドルーラという少女。

その子が、貧乏なため、いじめにあい、

一人で居たところ、

人間の言葉を喋れるイルカと出会い、

夢の島、ヒリア島に夏休みの間、毎日、出かけていく、冒険譚。

 

幼かった私は、夢中になって読みました。

父が買い与えてくれた本の中で、最も好きな書籍のうちの一冊です。

 

私も、小学校でいじめられていて、

ボス猿のようなその子に、

「私はみんなに年賀状を出すのだけど、一人だけ出さない人がいるの。」

とか、チクチク言われながらも、学校へは毎日行っておりました。

そのころの子供には、不登校なんて手段はありませんでした。

どんなにいじめられても、学校へは行かなくてはなりませんでした。

 

私にとっての、ヒリア島は、読書することであり、

学校へも、色々な活字の本を持って登校していました。

(中学に入ったら、そのボス猿のような女の子は、私に近づいてきて、

なぜか、友達になるという事になりましたが、私は中学一年の時に、

進学のために転校しましたので、その子とは、それっきりです。)

 

今回読み直して、

そのころの、私が、まだそこに、居るのを確認しました。

人は、恐るべきことに、

成長などしないのかもしれません。

年だけ取って、中身は一緒という。

 

しかし、あの頃の、私に出会い、

話してみて、

でも、あなたは頑張ってきたと、

それは、言ってあげられました。

 

それだけでも、良かったのかもしれません。

 

後、この作品において、描かれているマリア様像ですけど。

いや、こんな凛々しいマリア様、初めてみた。

凄いですよ。この描かれ方。

しかも、アンドルーラも、凄く強い子。

アンドルーラのお母さんも、強い。

 

作家がドイツ人女性だったって、

今回読み直して、ああ、さもありなん・・・と。

でも、みんな逞しくて素敵。

 

私が、ギリシア神話が好きなのって、

星と自然科学が好きだった、父の影響です。

私は、小学校3年の時から(年齢を偽って)、4年生からしか通えない、

五島プラネタリウムの会員になって、

毎月、渋谷まで、通ってましたし。

そこで、星座の中にある、様々なギリシアの物語を本当に、

楽しく聞いておりました。

だから、今でも、星は好きなのです。

 

いつか、ギリシアに行きたいな。

イルカに会えるといいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

表「い」インフェルノ

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     インフェルノ ダン・ブラウン作 堀前敏弥訳 角川文庫

 

さて、ロバート・ラングドン教授シリーズの4作目の、

インフェルノでございますよ。

 

やー、これ、本当は、文庫じゃなくて、買いたい本があった。

インフェルノ」ヴィジュアル愛蔵版 5280円

これね、買いたかった。

でね、生徒さんから、段試験に受かったからって、

5000円の図書カードもらったのね。

で、これを買うわ~って、

本屋に行ったのだけど、

何か知らないけど、流行だった空気枕のついた本を買ってしまい・・・

 

仕方ないから、文庫買ったという・・・。

 

ヴィジュアル本、欲しいです。

イタリアの美しい写真と、美しい美術品と・・・。

なんたって、私の第二の故郷は、

ヴァチカン市国ですから。

 

またもや、本の紹介を何もしてませんが・・・。

このシリーズ、ちょっと、盛りすぎで、荒唐無稽だよなぁ~って所あるんですが、

題材が面白いし、まあ、良いかって。

でも、液体に浸かって呼吸出来るなんて、

ムリムリィ~!とか思ってしまうのでした。(違う作品かこれ)

 

バイオハザードな流れは、今、現在、この時空で見るととっても怖い。

 

すみません、「オリジン」は、まだ読んでません。

 

ミッキーマウスの時計、私も中学生のころ、持ってました。

(だからなんなんだか。)

 

 

 

 

 

 

 

 

裏「あ」暗黒神話 

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暗黒神話諸星大二郎 ジャンプ・スーパー・コミックス 集英社

 

「あ」アートバイブルと双璧であった、暗黒神話

やっぱり、これについても、語りたい。

 

高校時代、マンガ同好会の部長(会長?)をやっていた、私に、

部員である友人が、ある日単行本を持ってきて

「これ、凄いから。」と。

 

借りて読んだ衝撃は、今も、忘れられない。

本当に、凄すぎた。

何もかもが。

 

その日から、一か月くらいは、

ふと、気が付くと、この作品の事を考えていました。

 

この、マンガと思えないような、絵画的な絵。

表情。背景。すべて、ショッキングなシロモノでした。

それから、諸星さんの作品を追いかけるようになりました。

 

その当時、星野之宣さんと、諸星大二郎さんと、

どちらが好きか論争など、起こっていて、

まあ、比べるのがおかしいのですが、(全然、違う系統ですしね~)

私は、ダンゼン諸星派でした。

しかし、諸星先生は、寡作でありまして、

新作読みたい病にいつもかかっていました。

 

本気で、この作品好きすぎて、

河合隼雄先生の講演会を聞きに行った時、

何の関係もないのに、暗黒神話妖怪ハンターをプレゼントして帰ってくる・・・

なんてー布教活動も、してしまいました。(恐れ多い)

 

河合先生からは、後ほど、お手紙をいただきました・・・

僕は、マンガは読めないけど・・・って。

原稿用紙に書かれた手紙は、

私の宝物です。

(と言いつつ、大切にしまいこんで、今、行方不明ですが)

 

内容について、何も書いていませんが、

まあ、とにかく、読むべしなのよねぇ。

特に、日本神話が好きな人は、

ハラハラが止まらないと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

表「あ」アートバイブル

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この二冊は、東京ジングフェラインという合唱団の、I沢さんが

クリスマスにプレゼントしてくださったものです。

 

私が受洗する前でした。

この本と、聖書、バッハの音楽とで、

洗礼を受ける決心がついたようなものです。

 

名画が綺羅星のように並んでいます。

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これは、レンブラントの絵です。「ヤコブと天使の戦い」。好きな場面です。

 

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これは、ティエポロ 「アブラハムに現れた三人の御使い」。

 

 

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フランチェスカの「キリストの洗礼」

 

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アートバイブル2の方からラファエロ・サンツィオの「聖ペテロの解放」

これは、バチカンフレスコ画で、ヘリオドロスの間にあります。

これ、好きなんだな~~~。

 

選んだ、絵をみて分かるように、

御使い好きは隠せない。天使は、昔から好きなモチーフでしたし。

私の洗礼名も、ラファエッラですから。