ビブリオフィリアの愉快な冒険

私とこの本との物語、本の感想、etc.

「ぷ」プロジェクト・ヘイル・メアリー

例のごとく、ネタバレありますので、

読んでない方は、シャットダウンしてくださいませ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

アンディー・ウィアー著 ハヤカワSF文庫

現代にして書かれるべきSF。

ストーリーテリングの素晴らしさはいう事ありませんが、

一番に思うことは、基本的人権を踏みにじる、未来を見据える独裁者の判断を、胸が潰れる思いで、読んでおりました。やっぱり、許せない。そこに私は強い引っ掛かりを感じます。

究極の選択に立たせられたら、考えは変わるかもしれませんが・・・。

ストラッドがグレースにした事を思うと体が震えるほどの怒りを感じます。

(特に、最近の日本の政治なんかを考えるとね)

だから、グレースは帰らなかったんだ。

ロッキーといる方が、心のやすらぎがあったのではないかしら。

アストロファージは、covid-19を思い出しますし、ロッキーとの事は、多様性の世界線ですよね。

そんなこんなは、おいておいて、一級のエンターテインメントSFである事は、間違いありません。

 

 

「さ」三体

三体を読んで。

ネタバレありますので、読んでない方は、シャットダウンしてくださいな。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

劉 慈欣作 ハヤカワSF文庫

読み始めたのだけど、何というか、暗い世相を反映しているというか・・・。

三体世界のVRは面白かったし、葉文潔がそうなるのも、分かるのですが。

本物の三体世界からの通信文は、興ざめで。その内容で、もうちょっと、異世界人の考えた風にできなかったんだろうか・・・。いや、それも、次作への布石なんだという話ですが。汪淼が、あんなに、凄いことして、ジャッジメント・デイから、取り出したハードディスクが、あんなんなんて、なんだか狐に化かされた気分です。大史は、良き、良き虫なり。

「オ」オリジン

f:id:Irenelee:20210420183232j:plain

     「オリジン」ダン・ブラウン著 角川文庫

 

(ネタバレありますので、注意してください。)

  

やっと、読み終わりました。

こんなに時間がかかったのは、

やはり、私が、クリスチャンだからでしょうか。

普段、あんまり、信仰を試される事がないだけに、

ちょっと、疲れました。

 

ウィンストンの策略というのは、どこまでだったのでしょうね。

私が読んだ感じでは、

カーシュの映像も、最後にウィンストンによって、上書きされていた。

って思えますが・・・。

カーシュの映像を初めに見たのは、三人の宗教家で、

バルデスビーノによれば、全世界に公開されたものと、結末が違うそうです。

カーシュの悪意か、それとも、そこから、バージョン・アップしたのかは、

分かりませんが、

レイテスト・イッシューは、AIと人間のミックスしたEND(まだ先はあるのでしょうが。)

AIの提示した未来。

 

最初の映像を見た三人は、死んでしまいましたので、

死人に口なし。どういう内容だったかは、闇の中でございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「び」ビブリア古書堂の事件手帖~扉子と不思議な客人たち~

 

f:id:Irenelee:20200625220526j:plain

ビブリア古書堂の事件手帖~扉子と不思議な客人たち~ 三上延著 メディアワークス


このシリーズは、ずっと追いかけて読んでいたのだけど、

2年前に出たこの最新刊だけは、

買いそびれていて、今回、今年の災禍のせいで、

読むことが出来ました。

このシリーズの、シェイクスピアの話と、太宰の話が好きです。

古本の入札の所とか、楽しくて。

やっぱり、本好きだと、そういうの、楽しめますよね。

今回の話は、雪の断章の話と、内田百問の話が良かったな。

あ、からたちの花も良かった。北原白秋好きだし。

マザーグースも、北原白秋の訳のやつがお気に入りです。

 

案外、複雑な人間関係や、重い話を、

割と軽々と書いている、この著者は、凄い人ではないのかな。

本当に本好きなんだろうなぁ~と。

 

こういう人に買われた本は、幸せだと思う。

ワタシなんて、18年前に引っ越して、まだ、開けていない

段ボール箱が、いくつあるやら・・・。

引っ越しの時に、引っ越し屋に見積もられた段ボールの数が、

本のおかげで、50箱足りなかったんよ。

見積もりの人も、ちょっとぬるかったわね。

(ちなみに、重量もね)

 

そして、所有しているのにもかかわらず、すっかり忘れて、

BOOK OFF で買ってくるヤツもヤツだ。

もう、諦めていただきたい。

このコロナ禍で、本の購入に拍車がかかっているし。

もちろん、kindleで買えるものは買ってるけど、

実際の紙の本に勝るものはないなぁ。

 

いづれ、美しい本を一冊くらいは、作りたいものだ。

薄くてもいいので。

 

 

 

 

 

「ろ」ロード・エルメロイⅡ世の事件簿

 

f:id:Irenelee:20200611224048j:plain

ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 三田誠著 TYPE MOON BOOKS

好きな、香りのする作品である。
舞台も、人物も、とても好ましい。
スピンオフだろうと、なんであろうと、独立して読めて面白ければ、
それでよい。

香りとは、アトモスフィアに溶けているものであり、
目に見えないものである。
けれども、私にとってそれが、一番、好きか嫌いかを判断させる、
鍵になる。

きらきらと光を受けて舞う、粉末。
ワインの底に溜まっていく、苦みの澱。
書物のページを枠取る、黄色い日焼けの後。
そんなものが大事な人にとって、
この本は、
良き友となるだろう。



「ぽ」 ポーの一族と萩尾望都の世界

f:id:Irenelee:20200516211056j:plain

ポーの一族萩尾望都の世界 小学館

買ってしまいましたよ、久しぶりに開店した本屋に行ったら、置いてあって。

今日、持って帰るのは、これしかないって。

 

小鳥の巣の見開き扉なんて・・・この鳥の力強いペンタッチ、この構図、配置、

本当に好きだった。もちろん、今も、本当に好き。

付録のノートのアンテ・・・すっごく可愛い。鉛筆の柔らかいぼかしと、あの目の感じ、本当にイイ。

 

見ているとね、昔に戻れるんです。

不思議ね。

 

そうそう、この本は、望都先生のデビュー50周年記念ですが、

デビュー30周年記念のCD-rom

なんてのもあって、

これこれ。

f:id:Irenelee:20200516212558j:plain

萩尾望都作品集 聖なるかな聖なるかな聖なるかな バンダイビジュアル

いや~これは、清水の舞台から飛び降りたなぁ~だって、当時、

12800円したんだものね。

でもでも、良いの。好きだから。

 

先生、5月12日がお誕生日でしたね。

いつまでも、お元気で、

素敵なマンガを見せてくださいね。

 

「き」 聴くと聞こえる

f:id:Irenelee:20200510221829j:plain

聴くと聞こえる 谷川俊太郎著 創元社


谷川俊太郎さんの詩集です。

実は、先週から、小説を二冊買ってきて、どちらも、途中で止まったまま、

また、この詩集を買ってきたのでした。

 

何か、今、詩しか読めない。

 

谷川さんの詩は、昔から好きで、

「わらべうた」などは、講演会に行ってサインしてもらったのがあります。

実は、高校が同じなので、そう言ったら、

僕は夜間だったよと、さらりと。

 

この本は、音と沈黙についての詩が沢山載っていて、

本当に、嬉しい一冊です。

装丁も、美しいし。

武満徹さんへの愛がこもっている。

 

特に好きなのは、

「奏楽」という詩。

これは、素敵だったな。私たちは、風に鳴る笛なんだね。

言葉も、きらきらしていて、素敵。

 

後は、沈黙についての、文が・・・とても、響きました。

 

それから、

ちょうど真ん中くらいにある、

「なにもしたくない」

という詩ね。

 

そうなのだ。

今、そうなのだ。

 

でも、詩を読んでいるの。