ビブリオフィリアの愉快な冒険

私とこの本との物語、本の感想、etc.

真「い」 イルカの夏

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イルカの夏 カテリーネ・アルフライ作 矢川澄子訳 岩波書店

 

イルカの夏は、私の幼いころの愛読書でした。

今回、取り上げるにあたって、再読いたしました。

やっぱり、この物語、大好きです。

 

所は、ギリシアの島。

貧乏で、母と二人暮らしをしている、アンドルーラという少女。

その子が、貧乏なため、いじめにあい、

一人で居たところ、

人間の言葉を喋れるイルカと出会い、

夢の島、ヒリア島に夏休みの間、毎日、出かけていく、冒険譚。

 

幼かった私は、夢中になって読みました。

父が買い与えてくれた本の中で、最も好きな書籍のうちの一冊です。

 

私も、小学校でいじめられていて、

ボス猿のようなその子に、

「私はみんなに年賀状を出すのだけど、一人だけ出さない人がいるの。」

とか、チクチク言われながらも、学校へは毎日行っておりました。

そのころの子供には、不登校なんて手段はありませんでした。

どんなにいじめられても、学校へは行かなくてはなりませんでした。

 

私にとっての、ヒリア島は、読書することであり、

学校へも、色々な活字の本を持って登校していました。

(中学に入ったら、そのボス猿のような女の子は、私に近づいてきて、

なぜか、友達になるという事になりましたが、私は中学一年の時に、

進学のために転校しましたので、その子とは、それっきりです。)

 

今回読み直して、

そのころの、私が、まだそこに、居るのを確認しました。

人は、恐るべきことに、

成長などしないのかもしれません。

年だけ取って、中身は一緒という。

 

しかし、あの頃の、私に出会い、

話してみて、

でも、あなたは頑張ってきたと、

それは、言ってあげられました。

 

それだけでも、良かったのかもしれません。

 

後、この作品において、描かれているマリア様像ですけど。

いや、こんな凛々しいマリア様、初めてみた。

凄いですよ。この描かれ方。

しかも、アンドルーラも、凄く強い子。

アンドルーラのお母さんも、強い。

 

作家がドイツ人女性だったって、

今回読み直して、ああ、さもありなん・・・と。

でも、みんな逞しくて素敵。

 

私が、ギリシア神話が好きなのって、

星と自然科学が好きだった、父の影響です。

私は、小学校3年の時から(年齢を偽って)、4年生からしか通えない、

五島プラネタリウムの会員になって、

毎月、渋谷まで、通ってましたし。

そこで、星座の中にある、様々なギリシアの物語を本当に、

楽しく聞いておりました。

だから、今でも、星は好きなのです。

 

いつか、ギリシアに行きたいな。

イルカに会えるといいな。